2006年11月
2006年12月 コンタクト
2006年 12月 3日

急に仕事が決まった。
色々偶然が重なって急に仕事が決まった。普通私たちデザイナーの仕事はサローネを中心として1年単位で動いていく。4月がサローネ。サローネ後から夏休み前、9月、比較的実現が簡単なプロジェクトで運がよければ10月、までに企業とアポイントをとり、プレゼンをして、次回のサローネ用の作品が選ばれることになる。企業とアポイントをとるのも難しいが、プレゼンをして作品が商品になるのはもっと難しい。その上、プロトタイプ製作途中で技術的な問題で没になったり、予算が合わなかったり、最終的に「やっぱり、いまいちピンとこない」なんていう理由で没になることもあるわけだからデザイナーの立場は弱い。(もちろん今をときめく有名デザイナーであれば、企業が頭を下げて仕事を依頼に来るので状況は全く変化しますが…)私も、今年の5月から10月までにプレゼンしたものの数点が今プロトタイプまで進んでいるが、一体いくつサローネに出展できるのか、今のところ全く未定だ。
今回急に決まった仕事は小物なので、サローネを中心ではなく、1月と9月のMacefを中心として回っている。木製小物を製作販売している比較的大手の企業のオーナーを知っていたので、今、他会社で難航している木製プロジェクトの解決方法の相談をした。その際見せた私の作品を彼女が気に入ってくれて、「時間があるときあなたのほかのプロジェクトを見せてね」といわれた。嬉しかったけど、とりあえず時間がなかったのでそのままお預け。ついに時間ができて作品をプレゼンできたのが11月も末。そのとたん、1日4,5通のメールが行きかい、なんだかんだと作品を絞り、結局今週中に方向性のはっきりしたものは1月のMacefに発表可能、といわれ、先週あわただしく3点プレゼン。今のところうまく行ったようで、3点とも商品になる可能性あり。で、最短時間記録成立である。1年近くかけて、何度も企業に行き、図面を書き直し…というのが普通だったので、1週間でコンセプション設定からプレゼン、決定、というのは夢のような速さ。結構気に入ったものができたから不思議。あ~時間がないほうが良いものができるのかな~なんて思ってしまった。もちろんいつもそういうわけには行かないけど。

それにしても、近代の利器「コンピューター」「インターネット」「Mail」がなかったら、こんな風に仕事を進めることはどう考えても無理だった。製図台で図面を書いて、スケッチをして…あ~郵送すると時間がかかるし、FAXじゃ白黒だしきれいに送れないし…なんて悩んでいたのは、ほんの10年前だっけな~。

12月 19日 Merry Christmas and Happy New Year
12月 20日

Royalty…今年のサローネに出品した商品の、初めてのロイヤリティーが入金された。これで1年半以上の労働に対して初めて何らかの報酬があったことになる。こちらでのデザインに対する報酬の制度を書いてみたい。 今年、2006年4月のサローネに出品された作品をプレゼンしたのは、2005年の5月から9月。それから作品が選ばれ、プロトタイプの製作が2006年1月くらいまで続く。もちろんその間何度か企業に通い、プロジェクトの変更や確認、マテリアルの選択等にかかわる。そして、4月のサローネで発表。商品が実際に販売されるのは早くて7月(8月はヴァカンス)か9月。家具会社は3ヵ月毎、4半期決算なので、7・8・9月は第3-4半期になる。普通決算後30日以内にロイヤリティー報告書が届き、さらに30日以内に支払いの契約がなされるので、10月末ロイヤリティー報告書、11月末支払い、となるわけだ。
なんとプレゼンした時より1年半!
 企業がデザイナーに仕事を依頼する場合、または名のあるデザイナーの場合は、経費やデザインフィーを請求できるし、場合によっては、ロイヤリティーの一部前払いを請求する場合もある。まあ、走り出しのデザイナーには夢のような話。
 家具や小物のロイヤリティーは普通、工場出荷価格の3から5%。3%が最も一般的だ。簡単に計算してみればわかるが、500ユーロで販売されている家具の出荷価格が250ユーロとして、100個売れて750ユーロのロイヤリティーが入ることになる。すべてどれくらい売れるか、にかかっているわけだが、数点の商品ではとてもじゃないけどやっていけないのが現実だ。時間をかけて何十点の商品を持つか、もしくは大ヒット作品が出ない限り、ロイヤリティーだけでは経費がやっと出る程度、といっても良いと思う。
 いずれにしても、私の初めてのロイヤリティー。最初のロイヤリティーが出たら、豪勢にNobuでディナーをおごっちゃう!と夫に約束していたので…さて半分は残るかな~とちょっと心配だ!