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VeneziaにBiennaleを見に行った。前夜、Veneziaから電車で20分ほどの、中世の町並みが美しいTrevisoに宿泊した。そして17日金曜日朝。迷信深くない私は、前日Studioの秘書が何気なく言っていた「大丈夫かしら、17日金曜に動き回るなんて、、、」という言葉をすっかり忘れて、気持ちよく目覚めた。ところが、朝からどうしてこんなに元気なのだろう、、、、と不思議になるほど大声でおしゃべりしているホテルのウエートレスたちの会話の中で何度も繰り返される不吉な言葉「sciopero」(スト)は、朝ボケしている私の脳みそにも届いた。Sciopero?そう言えばこの数日テレビでも新聞でも騒いでいた。まさか今日?
というわけで、17日金曜日を軽く見た罰か、電車で20分で楽に着くはずが、9時半から12時半までかかって無事Venezia着。もちろんVeneziaのVapoletto(水上バス)もストで、会場まで歩いた。
Biennaを知らない人に簡単に説明すると、アートと建築、1年交代で行われる芸術祭。芸術の万国博覧会(小ぶりの)といった感じで、Giardinoと呼ばれる公園の中に各国パビリオンが点在している。私はイタリアに来て以来毎年欠かさず見に行っている。数年前から広大な造船所跡スペースArsenaleも展示会場になり、こちらもなかなかダイナミックで悪くない。
まず、友人たちの評判が高かったArsenale会場へ。今年のテーマは「City. 建築と社会」1世紀半前には世界人口の10%だった都市居住率が今年は50%になり、2050年には75%にもなるという。その観点から世界の16都市を対象に比較検討した展示会だった。建築Biennaleは今までプロジェクトを扱ったものがほとんどだったので、建築を超えて地球の未来、といった今回のような社会的視点の展示会は珍しい。で、結果からいうととても面白かった。ちなみに対象の都市は、上海・ムンバイ(ボンベイ)・東京・カラカス・メキシコシティー・ボゴタ・サンパオロ・ロサンジェルス・ニューヨーク・ヨハネスブルグ・カイロ・イスタンブール・ロンドン・バルセロナ・ベルリン・ミラノ+トリノ。発展途上国と先進国のエネルギーの違いが印象的だった。ヨーロッパも日本ももう発展途上国のエネルギーを持ち直すことは不可能なんだな~と変に実感してしまった。でも、それも悪くないような気がする。都市人口世界一を誇る東京から、他の都市に比べダントツに低いミラノの人口密度を見て、自分の幸福を感謝した!この展示会で対象となった都市、そして他の都市が先進国になり、皆が金持ちになり、美食を楽しみ、エネルギーを消費し、公害を出し、、、、、その時にいったい地球はどうなるのか、、、、展示会を見た誰もが考えてしまったと思う。
一方Giardino会場のほうは今ひとつピンと来なかった。確かにもう疲労していたけれど、、、、あのように広い展示会場で、よく読まねば内容がわからない細かいパネル展示をしても、悪いけど着いていけない。全部は見れなかったけれど、日本館は期待以上に面白かった。藤森照信氏監修の展示は、わかり易く内容もとても新鮮だった。日本の事情にすっかり疎くなってしまった私は、お恥ずかしながら藤森氏を知らなかったのだけど、とてもすばらしいお仕事をされていると思った。それから、「路上観察」の写真の数々は本当に面白くて床に座って全部見てしまった。一人でクスクス笑いながら。写真を見ながら、いくら藤本氏がインテリであっても、ここまで一人の力でするのは難しいのでは、、、、と思いつつ写真を見終わり、参加者の名前を見て納得した。赤瀬川原平・林丈二・松田哲夫・南伸坊・杉浦日向子。知の集団だった。どれもこれも面白かったけど、その辺の街の1風景に芸術家(マグリット・モンドリアン・ミロ、、、、)の名前をつけたものは最高。笑わずいられなかった。私の趣味が結構Naïveであることは認めるが、こんなに心が洗われる様な30分を過ごしたのは久しぶりで、これだけでも来た価値があったな、とすっかり満足して日本館を後にした。
閉館の18時。Veneziaは霧に包まれ美しかった。「あ~なんて甘美なのだろう」と思わずささやいた私に、隣にいた夫が一言「あ~でもVenezia è un pesce(「ヴェネチアはお魚」Tiziano Scarpa著)に出てたけど、あまりにもロマンチックすぎて、本当に大事なことは全然起こらないんだってさ」と冷たく言った。だから男は嫌だ!。
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